びまん性脱毛症
女性の悩みとなる薄毛症状で最も多いタイプです。
びまんとは「一面に広がる」という意味で、頭部全体の髪が均等に脱毛し、毛髪が全体的に薄くなります。特に髪の分け目の皮膚が透けて見えるようになり、年齢的には、30代後半の中年以降の女性によくみられます。
男性型脱毛症と異なり、前頭部のヘアライン(生え際)が後退することはありません。
びまん性脱毛症の原因としては、老化、ストレス、極端なダイエット、経口避妊薬(ピル)、過度のヘアケアなどが考えられます。
分娩後脱毛症
妊娠後期にはエストロゲンなどの女性ホルモンの分泌が増加するため、ヘアサイクルの成長期が長くなり、抜け毛が減少します。しかし、出産が終わると女性ホルモンのバランスが元通りになるため、成長期を維持してきた髪が一気に休止期に入り、抜け毛が増加します。
脱毛は産後2ヶ月くらいから始まり、産後6ヶ月くらいまで続きますが、通常1年以内には元に戻ります。ただし、高齢出産などで体力の回復が遅い場合は自然回復しにくいと言われています。また、産後のストレスなどが重なると完治しないこともあるようです。(この場合は、分娩後脱毛症とは違いますので自然回復することは難しくなります。)
牽引性(けんいんせい)脱毛症
牽引性(けんいんせい)脱毛症は、ポニーテールや束髪など、頭髪が継続して過度に引っ張られる事によって発生する脱毛症です。通常は少し引っ張った程度で毛髪が抜けることはありませんが、長期間にわたって牽引が続くと薄毛の原因となります。
一般的には、頭皮に負担のかからないような髪型に変えることによって回復しますが、早く回復させたい場合は、頭皮マッサージ等で血行を促進すると効果的です。
批糠性(ひこうせい)脱毛症
批糠性(ひこうせい)脱毛症は、乾燥したフケを伴う脱毛症です。フケが毛穴を塞ぐことで炎症を起こし、毛髪が正常な成長をすることができなくなります。
過度の洗髪や、洗浄力の強いシャンプーによる皮脂の取り過ぎが原因になっています。刺激の少ないシャンプーを使う、洗髪の回数を減らすなどして頭皮を痛めないようにすることが大切です。
脂漏性(しろうせい)脱毛症
脂漏性(しろうせい)脱毛症は、皮脂の過剰分泌によって頭皮に炎症を起こす脱毛症です。頭皮表面の皮脂にこびりついたホコリや細菌は簡単には取れないため、細菌が繁殖して頭皮に炎症を起こします。この炎症が原因で脱毛が起こります。
脂分の少ない食事に変える等の食生活の改善や、正しいシャンプー方で頭皮を清潔に保つことが大切です。